事業承継とは

事業承継の現状は…

多くの経営者が先送り

事業承継には、5年から10年の準備期間が必要です。

事業承継への着手を先送りにしたために後継者を確保できず廃業となるケースもあります。後継者の育成期間を含めれば、事業承継には5年から10年もの準備期間が必要です。

経営者の平均引退年齢が70歳であることから、60歳を過ぎたら事業承継に着手しましょう。

中小企業の経営層の高齢化

宮崎県も全国と同様に高齢化が進んでいます。

社会全体が高齢化している現状を踏まえると、中小企業・小規模事業者の経営者についても高齢化が進展し、引退を決断する経営者の数も増えています。

後継者難による廃業の増加

親族内での後継者の確保が困難になっています。

廃業を予定していると回答した中小企業・小規模事業者のうち、4割を超える企業が「経営に問題はない」と回答しています。事業は継続できるにも関わらず、後継者の確保ができずに廃業を選択せざるを得ない状況に陥っている実態があります。

なお、小規模事業者に限れば、「自分の代で廃業予定」が全体の3割にのぼります。

事業承継の方法

親族へ承継

経営者の子をはじめとした親族に承継させる方法です。

一般的に他の方法と比べて、内外の関係者から心情的に受け入れられやすいこと、後継者の早期決定により長期の準備期間の確保が可能であること、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため所有と経営の一体的な承継が期待できるといったメリットがあります。

大切なポイントは経営者と親族間のコミュニケーションです。

メリット

  • 一般的に社内外の関係者から心情的に受け入れられやすい。
  • 一般的に後継者を早期に決定し、長期の準備期間を確保できる。
  • 他の方法と比べて、所有と経営の分離を回避できる可能性が高い。

デメリット

  • 親族内に、経営能力と意欲がある者がいるとは限らない。
  • 相続人が複数いる場合、後継者の決定・経営権の集中が難しい。(後継者以外の相続人への配慮が必要)

役員・従業員へ承継

「親族以外」の役員 ・ 従業員に承継する方法です。

経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができること、社内で長期間働いてきた従業員であれば経営方針等の一貫性を保ちやすいといったメリットがあります。

大切なポイントは内外の理解と協力です。

メリット

  • 業務に精通しているため、経営を円滑に引き継げる。

デメリット

  • 親族内承継と比べて、関係者から心情的に受け入れられにくい場合がある。
  • 後継者候補に株式取得等の資金力がない場合が多い。
  • 個人債務保証の引継ぎ等の問題。

第三者承継(M&A)

株式譲渡や事業譲渡等により承継を行う方法です。

親族や社内に適任者がいない場合でも、広く候補者を外部に求めることができ、また経営者は会社売却の利益を得ることができる等のメリットがあります。この場合、事業譲渡には、「事業の一部譲渡」も含まれます。

大切なポイントは、譲る側と譲られる側双方の合意により引継ぎスタイルが変わりますので、理解し合える譲渡先を根気よ<みつけることが大切です。

メリット

  • 身近に後継者として適任者がいない場合も広く候補者を外部に求めることができる。
  • 現オーナー経営者が会社売却の利益を獲得できる。
  • M&Aの相乗効果により、経営の安定・成長につながる可能性がある。

デメリット

  • 希望の条件(従業員の雇用、売却価格等)を満たす買手を見つけるには、時間がかかる場合が多い。
  • 仲介会社等を利用した場合、費用が掛かる。
    (※但し、事業承継・引継ぎ支援センターを利用すれば、低廉な費用で可能。)
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